電子タバコ禁止に思うこと
2025年9月より、競輪開催での電子タバコ、加熱式タバコ(iQOS等全銘柄)の持ち込みが禁止となります。
競輪選手のSNSをご覧の方の中には、一部の愛煙家の選手が盛り上がっているくだりを観測した方もいらっしゃるかもしれません。
詳細は後述しますが、この決定、のちのち悪いスパイラルに繋がらなければいいな…と心配している一般競輪選手、田村くんです。
こんな記事を書いといてアレなんですけれど、まず大前提として僕は非喫煙者なんですよね。
タバコをくわえたことすらありません。
うーん、オタクなんてそんなもんだよなぁ…。
って事で、ぶっちゃけ僕にはなーんにも影響がない話題なんですけれど、まったく影響がないのかというとそうでもないかもしれない。←どないやねん
そんな電子タバコ禁止の話題について、ちょっと語ってみようと思いますよ。
まず、事の経緯を説明しますね。
読者の皆様になんとか伝わるように書きたいのですが、なにせ僕自身が喫煙者じゃないので解像度が低かったらごめんなさい。
まず、最近の電子タバコ、加熱式タバコ(以下電子タバコでひと括りにさせてもらいます)には、Bluetooth機能が付いたものがあるらしいんです。
なんでタバコに通信機能が必要やねん?と思って調べたんですけど、なにやらタバコを吸っている途中で一時停止ができたり、何回か吸ったら自動的に加熱をやめる機能がついていて、スマホに接続してその辺の微調整をする、というものらしいです。
非喫煙者からするとなんのこっちゃ…ってなもんですが、電子タバコユーザーに聞くと、1本のカートリッジで何回か吸うためのシステムらしいです。
そこまで聞くと、なるほどな〜と思わなくもないです。
さて、当ブログにいらっしゃる読者の皆様には、競輪開催では通信機能の持ち込みが禁止だという事は周知の事実だと思います。
もう細かい説明はしませんが、ざっくり言えば外部との通信が可能だったり、可能だと疑わしいものは八百長に繋がる可能性があるため、1ミリでも疑われる要素があるものは持ち込んではいけない、という話ですね。
電子タバコのBluetooth機能なんて、どう考えてもシステムの設定にしか使えないようなものですが、Bluetooth機能が双方向通信である以上、持ち込みが禁止となるのは当然の事ではあります。
さて、ここからが今回の騒動の難しいところなのですが…。
このBluetooth機能、すべての電子タバコについている、という訳ではないのです。
銘柄はもちろん、古い型は通信機能が付いていない等々、問題なく使えそうな機種はあるはずです。
例えばiPodやウォークマンなどの音楽プレーヤーなんかだと、現行機種はほとんど通信機能が付いているため、わざわざ通信機能が付いていない古い機種を探してきて、持ち込んでいますからね。
しかしながら、ほとんどの電子タバコは筒状の本体にタバコのカートリッジを差し込むだけというシンプルな構造のせいで、形が似たり寄ったりですよね。
今回の決定では「現場職員が見た目で判別できないのですべての電子タバコの持ち込みを禁止する」という形での規制がなされました。
電子タバコはすべて持ち込み禁止、それでも吸いたきゃ紙タバコを持ってこい、という話だそうです。
言いたいことは分かるのですが、ちょっと極端な気もしますよね。
まあ何度も言いますが、僕はタバコを吸わないのでどうでもいい…という立場です。
そんな客観的視点で見ても、この話、妥協案は出せなかったのか?という点を疑問に思っています。
過去には、携帯ゲーム機に無線通信機能が普及した際に、今回と同じように「見た目で判別がつかないから」という理由でゲーム機の持ち込みが制限された事もあったんです。
ただ、その際は「ゲームボーイシリーズ(ゲームボーイカラーは除く)は許可する」という、銘柄による妥協案…というかルール整備がなされたんですよね。
今回の電子タバコの件、そういう話にはならなかったのかな?という点がすごく疑問なんですよね。
僕も非喫煙者なので見た目で銘柄を判別するのが難しいのは凄くわかるんですけれど、一部銘柄に絞ったり、個別登録などによる持ち込みもできなくはないのでは…?
で、冒頭で書いた「悪いスパイラルに繋がらなければいいな…」の部分に繋がるのですが…。
少し前に記事を書いたのですが、現代社会はマジでどんなジャンルの製品でも、最新版にはスマホ連携なんて名目でBluetoothやらなんやらの通信機能がついているのです。
【電波で繋がる現代社会】
今回の騒動のような形で、「見た目で分からないから」当該ジャンルの製品をすべて持ち込み禁止にしますというスタンスが今後も適用されるのであれば、この記事に登場した健康グッズ(マッサージガンやエアーマッサージ機など)をはじめ、宿舎生活の必需品であるポータブルDVDプレーヤーや先述した音楽プレーヤー等の家電製品はもちろん、Gショックなんかの腕時計は見た目がまったく同じBluetooth搭載機があったりします。
そう言った様々なジャンルの物品も、似たような形のBluetooth搭載機がある以上、パッと見でわからんからすべてダメです!という話になりかねませんか?
雉も鳴かずば撃たれまいという諺がありますが、これらの件もそうで、現状、誰も触れていないから話題に上がらないだけ。
話題に上がってしまうと規制に繋がりかねないという、競輪選手にとっては不利すぎる話なんですよ。
しかも突然、妥協案もなしに禁止されてしまう、という前例が出た以上、我々は日々の娯楽やケア用品がいつか規制されるんじゃないか…? という懸念を抱えつつ今後も生きていかないといけないのです。
うーん、難儀な話ですなぁ。
KEIRIN ADVANCE の記事でも触れたのですが、なんだか最近、上の決定が独裁的というか…強行決定みたいな形で物事が進む機会が多い気がします。
7車立競走なんか、最たる例です。
コロナ禍の人員削減を言い訳に、文字通りなし崩し的に現在まで続いていますから。
また、同じくコロナ禍で禁止となった宿舎での飲酒も、結局そのまま復活することがないですからね。
トラブルの元である嗜好品は制限した方が管理が楽ちんなのはよく分かります。
しかし、高学歴揃いのJKA職員の皆様なら、アメリカの禁酒法の行き着いた先をご存知だと思います。
選手の待遇のために身を削れとは言いません、せめて歩み寄る姿勢は見せて欲しいな...と願うのも、もしかすると「ギャンブルの駒のワガママ」になってしまうんですかね?
まあ、疑わしきは罰せよが基本の公正安全社会ですから、上の決定に我々は黙って従うしかないんですけどね。
非喫煙者の我々からすると、電子タバコを吸われる方が臭いが少なく有難かった...なんて話もありつつ...。
今回の決定は喫煙するしないに関わらず、色んな競輪選手が論じている話題です。
しかも、一部の喫煙選手が実際に「電子タバコがダメなら〇〇(電化製品)はどうなんだよ!」みたいな事を言いはじめてるのを見たりもしましたから...。
これは非常に良くない良くない!
世間の家電のハイテク化でどんどん肩身の狭くなる競輪界、せめて選手同士で足を引っ張り合うのは避けて仲良くやりましょう! ほんと!
…そろそろ「なんだコイツ偉そうに」と言われそうなので、拙者はここらでドロンいたしまする。
それでは、暑い日が続きますのでご自愛ください。←急なかしこまり
また次回!
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1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。