競輪選手と三本ローラー
回せぇ〜! 回ァせぇ〜! 三本ローラァ〜!
皆さんご存知、『三本ローラーの詩』なんて曲があるくらい、三本ローラーと言えば競輪選手の相棒! というイメージがあるアイテムかもしれません。
じゃじゃ〜ん!
買いましたよ〜ガチモンの三本ローラーをよォ...。
いや、この言い回しをすると他がパチモンみたいになっちゃいますが、流石にそういう意味ではありません(笑)。
というのも、この三本ローラー、競輪場に標準配備されている、いわゆる「プロ御用達モデル」なのです。
商品名は「Arago(アラゴ)ローラー」。
徳島県の小川製作所という会社が作っている商品です。
僕が産まれる前から競輪場の標準三本ローラーとして使用され、選手に愛されている超ロングセラー商品なんですよ。
競輪場に採用されている、それ即ち規格外のパワーを持つ競輪選手が入れ代わり立ち代わり、全力で自転車を転がし続ける競輪場での使用に耐え続けているという事です。
しかも何十年もクオリティを落とさず…普通に考えて恐ろしい事ですよね。
しかも、競輪場でこのローラーが壊れている姿は1度も見た事がありません。
奈良競輪場のローラー場だと、平成初期のアラゴローラーが普通に置いてあったりしますよ。
恐らくほぼノーメンテ。
頑丈すぎィ!
そんなアラゴローラーの重厚感と安心感を体験すると、他の小径ローラーでは絶対に満足できない、そんなローラーなのです。
ちなみに、一般的に乗るのが大変難しい! とされている三本ローラーですが、アラゴローラーは大経ローラーの安定性から、ど素人の方でも急に乗れてしまって拍子抜けする...なんて事があるくらい、軽く乗れて安定感がとてつもないんですよ。
ぼくが購入したのは、電動機能付きのタイプです。
電動機能ってのは、モーターアシストで加速、負荷をかけられるというものです。
加速モードにしてからダイヤルをひねると、ローラーがとてつもない加速をはじめます。
競輪選手だと、この加速機能を使えば簡単に時速100キロ相当の回転を出せるんですよ。
超高回転練習や、極端に負荷を軽くしたクールダウンなどに最適です。
負荷モードは、文字通りローラーが重たくなります。
重たい負荷を踏む練習はワットバイクやパワーマックスで行うのがポピュラーになっていますが、より実走と同じフィーリングで重たい地面を走る…というアナログすぎるトレーニングができるので、愛用している選手は結構多いんです。
以前、某S級選手が、「練習は負荷モードでずっと漕いでるだけだよ〜」と言っているのを耳にしたことがあります。
それくらい、根強いファンがいるモードってワケですね(笑)。
さて、気になる電動機能付きアラゴローラーのお値段なのですが...。
なんと、定価42万円(税抜)です。
高いと思いますか? いや、こりゃプロから見てもたけーわ。
まあ、先述した通りほぼ一生モノの買い物ですから…。
仕方ない仕方ない。
とかいいつつ、僕は選手仲間から中古で定価よりは安く購入しました(笑)。
それでも、レース用フレームが一本購入できるくらいの金額でしたよ。
ちなみに、電動機能が付いていないタイプも、定価14万円(税抜)です。
先程の競輪場のローラー場の写真...あれいくらかかってんだろう...。
実は、デビュー10年目にしていまさら購入した…という訳ではなく、昔、滋賀県の実家にいた頃にアラゴローラーを所有していました。
奈良に移籍して引っ越した後、長らくアパートに住んでいた都合で手放してしまったんですよね。
アラゴローラーはプロの負荷に耐えるべく安定性や頑丈さが異常なのですが、騒音に関してはまったく考慮されておりません。
まあ、業務用ローラーですのでそういった所は切り捨てているのでしょう。
音質としては、重厚感というワードがピッタリな「ゴロゴロゴロゴロ…」という重低音です。
古い競輪選手には「ゴンゴロ」という愛称をつけられていたらしいですよ。
まあ、爆音ではありませんが、アパートで使うのは流石に響くだろうなぁ、という音量です。
ちょっと話が逸れるんですけれど、元々このアラゴローラーを置いている場所にはスマートトレーナーを置いていました。
左がワットバイク、右がスマートトレーナー。
このスマートトレーナーで、Zwiftというバーチャル世界で自転車を漕げるアプリに接続して楽しみつつ練習していたんです。
スマートトレーナーだと、ローラーと違って騒音も少ないのでアパート時代には大変重宝しましたよ。
スマートトレーナーを購入した時の記事があるので、よければ見てね!
【練習部屋を強化しよう】
引っ越してからは特に騒音を気にする必要がないのですが、せっかく高い金を払ってスマートトレーナーを購入したのでしばらくは室内練習ではZwiftをプレイしていたんです。
しかし先日、このZwiftの月額料金が大幅に値上げしてしまいましてね…。
ちょっと懐に響くくらいの値上げだったので、一旦解約してしまいました。
そして、スマートトレーナーを置いていたスペースにそのままアラゴローラーを買って置いたって訳ですね。
競輪選手にとって三本ローラーに乗ることは、練習というよりストレッチなどのコンディショニングに近いです。
自転車と一体化するための儀式と言ったところでしょうか。
競輪選手がレース前に行うウォーミングアップで三本ローラーに乗るのも、そういう意味合いが大きいんですよ。
筆者たむらくんはちょうど当記事の更新前に大怪我をしてしまったので、リハビリにももってこい!
皮肉にも、抜群のタイミングでのいい買い物になりました。
という訳で、話が散らかりながらもアラゴローラーのお話をして参りました。
まあ、一般の皆さんで購入を検討する方は一部の物好きを除いてなかなかいらっしゃらないでしょうけれど(笑)。
もし、競輪選手と同じローラーが欲しい! という方がいらっしゃったら参考にしてくださいね〜。
では、また次回!
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1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。