競輪選手は現金主義!?|DMM競輪

競輪選手は現金主義!?


 

 


新紙幣です!
 

 




うーん、裏側の「みほん」感がすごい。
 
 
ま、こっちが新時代のスタンダードですから、この紙幣に慣れ親しんだ未来の世代には「旧札のパチモン感すごい!」と言われるんでしょうねぇ。
 
 
旧紙幣(野口英世時代)の発行は2004年だったらしいので、僕は夏目漱石時代にもギリギリ慣れ親しんでいた世代です。
 
 
確かに、紙幣が切り替わった時には小学生ながら「違和感がすごい」と思いましたもんね(笑)。
 
 
なんだか懐かしい気持ちです。
 
 
 
 
さて、トレンドに乗る男こと田村風起くんは、発行2日目には新紙幣を手にしています。
 
 
乗るしかねえよな、このビッグウェーブに...!
 
 
 
 
なんて言いつつ、五千円だけはまだGETしていません。
 
 
と言うのも、ミーハー心で銀行に両替しに行った!のではなく、銀行の取引(入出金)のお釣り分で普通に新紙幣が出てきたんですよね。
 
 
へー! 銀行内ではもう普通に新紙幣に置きかわってるんだ! と驚いたものです。
 
 
しかも千円札に至っては朱肉で汚れてるし。
 
 
発行2日目にして、既に複数ユーザーの手に渡っていたんでしょうねぇ。
 
 
時代の流れは速いぜ...。
 
 
今後はこれがスタンダードになると分かっているのですが、新紙幣、なかなか使うのがもったいなくてまだ財布にしまってあります(笑)。
 
 
いやぁ、実にミーハーだなぁ。
 
 
 
 
 
さて、そんな新紙幣の話題で盛り上がりつつも、実際の生活ではキャッシュレス時代に移行しつつある現代社会。
 
 
競輪界は、未だに現金支給、現金払いがスタンダードです。
 
 
時代遅れだ! と世間では思われてしまうかもしれませんが、業界にいるとさほど気になる事ではありません。
 
 
ってな訳で、今回は競輪開催と「賞金の現金支払い」のお話を書いてみようと思いますよ〜!
 
 
 


 
 
最終日、レースが終わるとこんな感じの封筒で賞金を貰って帰ります。
 
 
写真の封筒、「支給額」や「控除額」の欄が空白なのはデフォルトです。
 
 
昔はここに手書きで明細が記載されていたんでしょうかねぇ。
 
 
現代では、封筒の中に現金と共にプリントアウトされた明細書が入っているので、事務員さんが手書きする手間は省かれていますよ。
 
 
 
 
で、「今どき現金払いかよ!」というお話。
 
 
キャッシュレスが当然になっている令和の時代、現金の入った封筒を受け取って帰る、というのは時代錯誤のように感じます。
 
 
そもそも、チャレンジでも数十万円の賞金を貰う訳ですから、現金持ち帰りって根本的に不用心ですよね。
 
 
皆さんも、突然仕事帰りにボーナスを現金支給されたらちょっと戸惑いませんか?(笑)
 
 
いや、通勤もあるんだから普通に振り込めよ...ってなると思います(笑)。
 
 
 
 
実は、競輪場では4日間(記念では5日間、GIでは7日間!)の間、競輪場に缶詰にされる都合で、なかなかキャッシュレスシステム化が進みづらいのが現状なのです。
 
 
と言うのも、宿舎や検車場には「売店」が設置されており、生活に必要なものや飲み物、軽食、自転車部品は現地で購入します。
 
 
 
【売店〜競輪選手のライフライン〜】
 

 
缶詰にされている間、売店使用時は逐一の支払いではなく、都度伝票をつけてもらって最終日に一括で支払う、というシステムなのです。
 
 
いわゆる「ツケ払い」ですね。
 
 
競輪選手は、最終日にレースを終え、賞金を貰う

賞金から、売店に支払いをする
 
 
という、圧倒的現金払いの流れが染み付いているのです。
 
 
すなわち、売店の支払いが完全キャッシュレスにならない限り、賞金の振込化は厳しい!という話になってしまうのです。
 
 
 
 
世間では、給与支払いが振込=わざわざ口座から引き出さないと現金が財布にない、という所がベースでのキャッシュレス時代ですから、ウチは順序が逆なんですよね。
 
 
むしろ、賞金が現金払いでなくなった場合、売店側のツケ払いの回収が面倒くさい!という世界なのです(笑)。
 
 
 
 
また、上でチラッと書いたのですが、競輪選手は最終日、レースが終わったらすぐに賞金を受け取って帰る準備をはじめます。
 
 
賞金は、競輪場の「賞典室」というところで管理、計算されています。
 
 
すなわち、最終日の着順=賞金額が確定した後すぐに手作業で賞金を振り分けて、我々競輪選手に手渡ししてくださっているのです。
 
 
受け取りの際は、賞典室で直接賞金を手渡しされ、受け取り確認のハンコを直接押すというクッソアナログながらもシンプルなシステムなんですよ。
 
 
もしこれを今から銀行振込にしようとすると、競輪場側が銀行と提携しなければならない...という手間が発生するのは目に見えていますよね?
 
 
また、手間以前の話、競輪場は都道府県や市町村等地方自治体の公営施設です。
 
 
地方自治体の施設が、公営で事業を行い、公のお金=地方の財源から捻出した賞金を扱うのに、「行政」が「民間」の銀行を使うのはどうなんだ?
 
 
という意見もあるそうです。
 
 
 
 
競輪選手の賞金って、お客様の車券売上を回収して直接支払われる訳ではなく、売上を一旦地方自治体に計上、それに基づいた金額を、地方自治体の財源から捻出していただく、という少々回りくどい段階を踏んでいます。
 
 
すなわち、競輪の賞金を銀行振込で運用しようとすると、行政が市民の税金を民間の銀行に預ける形になるんです。
 
 
これがあまり良くない形だというのは、社会のシステムを理解していれば分かる話ですよね。
 
 
 
 
ま、平たく言えば大人の事情ってやつですわ。
 
 
 
 
大人の事情やらなんやらが色々あって、競輪界はいまだに、いつもニコニコ現金支給!現金払い!が続いている、という訳ですね。
 
 
ちょっと雑にまとめすぎましたかね?(笑)
 
 
 
 
とか何とか、色々と御託を並べてきましたけれども...。
 
 
競輪選手の立場だと、シンプルに一所懸命、競輪を走って、“闘って”、その後に賞金を現金で受け取る、というのは、えも言われぬ快感があります。
 
 
頑張った実感が札束の分厚さに現れるんですから!
 
 
多ければ嬉しい、少なければ次頑張ろう、と思えるのは、プロスポーツ選手冥利に尽きるってヤツですよ。
 
 
 
 
まあなんだ、色々と総合すると、キャッシュレス時代ながら、業界内では今のところ誰も損する人がいない!って訳ですね。
 
 
 
 
なんて事を言いつつ(手のひらクルクル大明神)、最近、一部の競輪場の選手会売店でクレジットカード決済システムが導入されはじめました。
 
 
うーん、やっぱ世間のキャッシュレスの波には抗えないのか...。
 
 
せっかくプロスポーツ選手冥利とか語ったのになぁ...。
 
 
話の腰を折られた気分だぜ...。
 
 
 
 
なーんてミーハー競輪選手こと田村風起くんの意見は置いといて、競輪界の現金支給の現状をご理解いただけましたでしょうか?
 
 
レースが終わる度にATMに入金する手間は面倒臭いですが、公営競技選手の賞金の現金支給、ロマンのある話だとぼくは思っていますよ!
 
 
 
 
あ、ちなみに、まだ競輪場の賞金で新紙幣は観測していません!
 
 
いつ頃流通するんだろうなぁ?
 
 
 
 
ではまた次回!お疲れ様でした。

1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。

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