工具袋の中身、何が入ってる?|DMM競輪

工具袋の中身、何が入ってる?



工具は男のロマン!
 
男子たるもの、意味もなくネジをガチャガチャと締めたり緩めたり、金槌でトンカンしていたいものなのです。
 
男という生き物は、ホームセンターの工具がいっぱい吊り下げてあるコーナーに行くと、根拠のないワクワク感に襲われ、たいそう胸が踊るのです。
 
 
女性には分からん世界ですかねぇ?(笑)
 
さて、競輪選手という職業は、工具を駆使するお仕事です。
 
自転車に乗り、レースを走り、賭けの対象となるのが主なお仕事ですが、自分の自転車を整備、組み付けするのも大きな仕事。

実は、技術者的要素もあるのですよ。

 
競輪選手は、自転車(フレーム)を注文、購入して、自分で組み立ててレースに持ち込むのですよ。

その過程で、色々と工具を駆使するのです。


今回は、ぼくの工具袋を大公開!

競輪選手として、開催で不便しないために必要な工具たちを紹介しますよ〜!
 
 
 





早速登場! 工具袋です。

実は、競輪選手の2人に1人はこの黒い革の工具袋を使っています。
 
理由は、競輪学校で支給されるのがコレだから。
 
期が古い選手は分かりませんが、競輪学校(現:競輪選手養成所)に入学する際、全員にこの工具袋が支給され、在学中は基本的にこの工具袋を使用します。
 
結構いい革の袋ですから、かなり丈夫。

競輪学校を卒業してからも、滅多に壊れることがないのでほとんどの選手が継続して使い続けるのです。
 
 
 


 


 

中身はこんな感じ。
 
これだけあれば、競輪用ピスト一台が組めてしまいます。
 
意外と少ないですよね。

競輪用ピストって、かなりシンプルな構造なのです。
 
 


 

まずは六角レンチ。
 
左の工具は、3.4.5.6mmの六角レンチが一体となった競輪用工具です。
 
右の六角レンチは天下のKTCの六角セット。

といっても、この中で競輪用ピストで使用するのは6mmだけです。

5mm以下はどこかの競輪場に落としてきてしまいました…。
 
 


 







六角レンチは主に、ハンドルやサドル周り、大ギヤの締め付けに使用します。
 
  
続きまして〜
 
 
 



 
スパナ(レンチ)です。
 
日本では、上の部分をスパナ、下の眼鏡部分をレンチと呼びがちですよね。
 
でも、厳密に言えばアメリカ英語とイギリス英語の違いで、スパナとレンチって本来同じものを指すらしいですよ。
 

なんてクソ雑学は置いといて…。
 
 

 



 
 
競輪用ピストにおいては、車輪のハブ(車輪の回転軸)のナットと、チェーン引きという、チェーンの張りを調節するところに使います。
 
 
では次の工具。
 
 


 
 
モンキーレンチ、マイナスドライバー、チェーン切りです。
 
これ、どこに使うと思いますか?
 
って、チェーンという単語が出ているのでバレバレですかね。
 
 


 
 
競輪用ピストをはじめ、シングルギヤの自転車のチェーンはこういうチェーンピンというやつで繋がっているのです。
 



 


 

マイナスドライバーとモンキーレンチで力技で取り付け、取り外しを行うわけです。
  
チェーン切りは、文字通りチェーンをカットするためのものですよ。

新品のチェーンは、めっちゃ長い状態で梱包されており、使用するギヤ比に合わせて自分でカットするのです。
 
それを、先程のチェーンピンで繋ぐ、という仕組みです。
 
 


 
 
ほんでもってこれは、チェーンオイルです。
 
チェーンは精密回転部品。

汚れを落とし、注油することで滑らかにギヤと噛み合うのです。
 
チェーンオイルは様々なブランドから出ていて、銘柄にこだわる選手は結構多いです。
 
僕は売店に売っていたやつを適当に購入して、適当に使ってしまっています…。
 
 


 
 
続きましてこちらは、小ギヤと小ギヤ外しです。
 
 
リヤホイールの回転部分の歯車ですね。
 
 


 





 
 
小ギヤって、こんな感じで着いています。
 
ハブ(後輪の回転軸部分)にネジが切られていて、小ギヤを装着。

更にその上からロックリングという蓋を締めることで、万が一にも緩まないようにできています。

競輪のギヤやチェーン周りのネジ部品は基本的に二重ロックです。

競輪選手は規格外のパワーを自転車にぶつけるので、万が一レース中に部品が外れでもしたら大事故に繋がります。

また、競輪は公営競技。

賭けの対象が乗っている機材に不安があると、ギャンブルとしての公正を確保できませんからね。
 
 

 
 
 
続いては測定機材です。
 
メジャーと、右の四角は角度計です。
 
競輪選手は、日々の体調に合わせてハンドルやサドルの高さをミリ単位で調節して出走するため、このような機材が必要なんです。
 
セッティングは、メジャーで計測して、油性ペンで印をつける、非常にアナログなやり方です。
 



 

競輪選手の自転車には、こんな感じで色んな色の油性ペンの目印がいっぱいついていますよ。
(ビニールテープを目印にする人もいます) 
 
 


 
 
さて最後はこちら。
 
これは工具というより、治具ですね。
 
輸送の際に、チェーンを引っ掛けておいたり、フォークの歪みを抑えるために取り付けるもの。
 
気休めですが、傷や歪みがマシになります。
 
 
【遠征の荷物、めんどくせぇー】
 
 
この記事で紹介したのですが、遠征の際に自転車をハードケースに詰めて発送する際に自転車に歪みが出かねないため、こういうものを常備している訳ですね。

 
 
僕の工具袋の中身は以上です!お疲れ様でした!
  
競輪選手の工具袋の中身、いかがでしたか?
 
思ったより多い?少ない?
 
 
ちなみに余談ですが、皆が同じような工具を一斉に持ち込むため、取り間違いなどによる紛失がめーーーーっちゃ多いです。
 
しかも冒頭で書いた通り、工具袋すらも皆が似たようなものを使っていますから…尚更ですね。
 
なくしたり、忘れ物をしてしまった時の為に、競輪場の検車室には共用の工具がありますよ。
 
うっかり者でも安心の職場ですね!
 


 
 

これは競輪選手会奈良支部の選手道場の壁掛け工具。
 
なんか男心をくすぐりますね! 

 
って事で、競輪選手はどんな工具を使ってるのか、というお話でした!
 
競輪選手の持ち物シリーズは無限のネタが溢れているので、また何かしらの記事を書きますね!
 
ではまた次回〜!

1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。

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