冠婚葬祭が多すぎます!〜競輪選手の服装問題〜
礼服です。
超絶私事なのですが、この9月、10月でなんと4件も結婚式が入っていたんですよ〜。
怒涛の結婚式ラッシュです。めでたいですね。
たぶん、新型コロナウイルス大流行のご時世で結婚式を見送っていた層が、コロナが落ち着き始めた昨年半ばあたりから今年の5類移行あたりで「結婚式しようか」と動いた人が多く、今に集中したんでしょうね。憶測ですけど。
まぁ一気に招待状が来るわ来るわ。ありがたいことです。
そんなハッピーウェディングにお呼ばれしまくりマンのぼく。
実は9月は斡旋をしない処置でお仕事がなく無収入だったのですが。
9月と10月、御祝儀の支出だけで12万…すっごい……いや、めでたい結婚式なのに金銭勘定はタブーですよ! 水を差すな!
なんてモラルゼロな心の声は置いといて…4件の結婚式のうち2件は親戚の結婚式だったので、一応親族として恥ずかしくないようキチンとした略礼服を着て出席しました。
そんときに着たやつが冒頭の礼服です。
この礼服、なんと10万円弱したんですよ。
いや、初手から自慢かい! って思った方、これは自慢ではなく実は自虐なんです…。
実はコイツ、値段は高いくせに、ええとこの海外ブランド品! とか、こだわりのオーダー品! とかじゃないんですよ。
この謎高額礼服を購入した経緯が、なんとも競輪選手らしいエピソードなので是非聞いてください。
たしか、競輪選手としてデビューした年だったので2015年くらいかな。
ある日、近い友人に急な不幸があり、翌日にお通夜、翌々日に告別式があるとの連絡が来ました。
あまりにも不本意な形ながら、これが社会人になってから初めての冠婚葬祭となりました。
高卒で練習生になり、競輪学校に合格し、成人式にも出ることなく突如競輪選手=社会人として野に放たれた当時20歳そこらのぼく。
当然、急に葬式に呼ばれても、着ていく礼服なんて持ってないんだな。
学生であれば制服で冠婚葬祭を凌げていたけれど、大人はそうはいかない…。気付かない間に、俺はもう大人になっていたんだ…。
なんてアンニュイなことを考えつつも、現実問題フォーマルな服は必要。買いに行かなきゃ。
まぁ正直、何もない時に「よし! 礼服買うか〜」とはなりませんからね。
形は不本意ながら、死んだ友人が俺たちに社会人として冠婚葬祭に向き合う機会を与えてくれたのかもしれないな…。
ということで、今はなき大津びわこ競輪場のすぐ近所にあった洋服のはるやま(現在は閉店)に向かいました。
ぼく「すいませーん! 明日法事なんですけど、どんなんがいいんですかねぇ」
店員さん「いらっしゃいませ。このあたりが略礼服となりまして(以下略)」
ぼく「じゃあこれで(上下で15000円くらいの適当な礼服を手に取る)」
〜試着室〜
ぼく「太ももが入らないんだよなぁ」
店員さん「ではこちらのサイズはいかがでしょうか」
ぼく「太もも入ったけどお腹がガバガバでベルトで何とかなるレベルじゃないんですよねぇ」
店員さん「ええ?すごい体型ですね(笑)。あー…お客様の体型ですと、当店の既製品では対応致しかねます…オーダーで作られた方がよろしいかと…」
ぼく「マジで?明日法事なんですけど!」
店員さん「申し訳ございません…」
マジかよ…これが噂に聞いていた競輪選手の服選び大変問題か…。
特に服装やオシャレへのこだわりがない僕。
今後も適当な既製品フォーマルと、ユニクロ私服で生きていくつもりの人生設計を立てていたのに、突然突きつけられた現実。
正直、競輪選手が「合うジーパンが無いんだよな」とか言うムーブ、あれってずっと競輪選手が話を盛ってるもんだと思っていたんですよ。
だって、いくら何でも入る服くらいあるやろ!(笑)
太ももが太いアピールですか? 寒いですわ〜! なんてね。
自分が現実に直面してからビックリです。
太ももが入るサイズ自体はあるんだけど、太ももにサイズを合わせると当然ながら他の部分全部がサイズアップしちゃうんです。
太ももがXXLサイズだとすると、ウエストまでXXLサイズ。流石にガバガバ。
足首もXXLサイズ。ガバガバ。
シルエットが成立せず、めっちゃダサいんですよ。
「入る服がある」と「合う服がない」は別問題なんですよね。
競輪選手の服装問題って、そういうカラクリだったのか…。
しかも、まさかこんな法事前の最悪のタイミングで競輪選手としての洗礼を受けるとは…。
当然、今から礼服をオーダーしたとて翌日に間に合う訳もなく、どうしようもないのでとりあえずお腹がガバガバの礼服を買って気合いでベルト締めていくしかないか…と諦めていたところ、奥から
「お客様! お待ちください!」
と、マンガかアニメでしか聞いたことのないセリフを叫びながら、店長登場。
店長「競輪選手の方ですか?」
ぼく「アッ!そうです! よくわかりましたね」
店長「やり取りを聞いてまさかと思いまして! こちらのアジャスター付の礼服をお試しください!」
なんてやり取りをしつつ、店長がわざわざ奥から持ってきてくれた礼服を着てみると、なんとジャストサイズ!
ウエスト部分にアジャスター機構がついていて、ベルト無しでもお腹の部分の調節ができ、かつシルエットが崩れないスグレモノでした。
そういえばここは大津びわこ競輪場から徒歩1分の洋服店。
もしかすると、過去にも競輪選手が来店し、こういうやり取りがあったのだろうか…。
そういや店長さん、歴戦の面構えをしていらっしゃる。
ぼく「すごい!ピッタリです! 助かりました、本当にありがとうございます! これください!」
店長「ありがとうございます!」
店長「10万円になります」
後には引けないぼく「…分割払いで」
…というのが、冒頭の謎高額礼服との出会いです。
歴戦の店長さんに助けられたけれど、上手いこと高い商品を売りつけられただけのような…。
こういうとこ抜け目ないから、あの店長さんは歴戦の面構えなんだろうなぁ。
そんな不思議な気持ちを抱えつつ、また人生最初の競輪選手としての洗礼を受けつつ、無事に自分に合う礼服を購入することができました。
まぁ仕立ての良い服ってのは一生モノですから…。
ケアしつつ、死ぬまで大事に使おうと思いますよ…(笑)。
〜HAPPY END〜
葬式のために買った礼服だが、もちろん結婚式にも着ていくぜ! ってことで、ちょい余談ではありますが冠婚葬祭の婚の方、競輪選手の結婚式についても触れておきましょうかねぇ!
競輪選手の結婚式は、仲のいい競輪選手や同支部、同期の選手を呼んで盛大に行われることが多いです。
僕も何度かお呼ばれした事がありますが、なかなか豪華な式が多いですよ。
そういえば競輪選手って腐ってもプロスポーツ選手だったなぁ、ってのを実感できる貴重な場です。
つい先日も滋賀県の某先輩の結婚式にお呼ばれしました。
高級ホテルのホールを貸し切っての式で、THE競輪選手の結婚式! って感じでしたよ。
引退した選手も含めたくさんの競輪選手が来ておられました。
また、先輩はボートレーサーと交流があったようで、競輪選手に混じって数名のボートレーサーも来ておられました。
ボートレース好きのぼくはウハウハ。超有名選手はいませんでしたが(失礼)、そういうのが楽しいですよね。
とても楽しい結婚式でしたよ。
こっちは超絶私事の方で、9月の従兄弟の結婚式の写真です!
あっ、例の礼服着てますね(笑)。
Twitterで人気のシンレモンサワー開発者の従兄弟です。
高卒の僕とは対極の、学歴カーストの最上位に君臨していた自慢の従兄弟なのですよ。おめでとう!
いい感じに幸せ溢れるおめでたい写真を散りばめた所で、記事を締めておきましょうかね。
礼服購入というまさかのタイミングで直面した、競輪選手の服装が難しい問題。
合うジーパンがない! とか、スマートカジュアルをカッコよく着こなせない! なんてお話は都市伝説ではないんですよ!(笑)
マネキンがかっこよくて、張り切って試着してみたら鏡に映ったのはドラえもん…というのは日常茶飯事。
一生懸命鍛えた難しい体型だからこそ、いつまでも仲良く付き合っていかないとね。
では、また次回!
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1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。