自転車ってカッコイイ|DMM競輪

自転車ってカッコイイ



Panasonicからでっけー荷物が届きました。

おいオタク、今回は何買ったんだ?
Panasonicってことは家電か?





残念、自転車です。
たまには競輪選手っぽい話もさせてくれよ...。


Panasonicって聞くと、皆さんは家電メーカーのイメージですよね。
ぼくも選手になるまでは家電メーカーとしてのPanasonicしか知りませんでしたよ。

競輪場でPanasonicのロゴが書いてある自転車を見て、まさかあのPanasonicが競輪フレームを作っているとは知らず

「とんだPanasonicファンがいたもんだなぁ...」

と思ったものです(笑)。


しかし、古くからの自転車ファンの方々からすればPanasonicって超有名フレームビルダーなのです。

というのも、今では超大手家電メーカーのPanasonic(松下電器)ですが、創業者の故・松下幸之助さんは元々自転車店の下働き出身だそうで、慣れ親しんだ自転車製作分野には古くから力を入れておられたそうですよ。

鉄フレームを始めとする、溶接を必要とする自転車製作の技術力は、今なお世界で屈指です。

1980年代~90年代にはPanasonicチームにてツール・ド・フランス(自転車ロードレース界の最高峰)にも出場し、マイヨ・ジョーヌ(総合1位の選手が着るジャージ)を獲得したこともある、伝統ある自転車屋さんなんだそうです。


ま、偉そうに歴史を語りましたが、元々は前述の通り自転車作ってることすら知らなかったんだけどな。

そんなPanasonic、もちろん競輪のNJS規格フレームも作っておられます。

競輪界のPanasonic乗りといえば、グランプリレーサーの佐藤慎太郎さんが有名ですかね?


僕は元々、デビューしてからはBRIDGESTONEの自転車に乗っていました。
なぜPanasonicに乗り換えたかと言うと…

安くて高品質だから

です。


こんなとこでも値段の話かよ! ケチケチしやがって!
ってのは置いといて、前のフレームより安いのにどう考えてもよく進んだんですよ。

そこからPanasonicの大ファンになりましてね。偉そうにブログで企業の歴史を語るまでになりました。
実にミーハーだなぁ。





さっき届いたフレームを組むとこんな感じになります。

この形になるとお客様にも馴染みある自転車の姿ですよね!

ちなみに、僕はデビュー時から自分のフレームを作る時はずっとこの「白✕銀」カラーリングを貫いていますよ。

気分で色を変える選手もいますけどね、僕は一途なので...。



ってことでいろいろと書きましたが、後半は写真パートです。

こだわりの自転車の細部を、マクロ撮影(等倍サイズで撮れるレンズを使って、ドアップで撮影するやり方)で撮ってみました。

たぶん、実際に競輪フレームを間近で見ることはめったにないと思うので、職人技が詰まっていてカッコイイフレームの細部を是非見ていただきたい。





まずはヘッド部分。
ここからはマクロ撮影の世界へおいでませ〜!





マクロレンズ、ここまで寄れます!

ここまでのドアップでプロの自転車を眺めることってないですよね?
今日は気が済むまで見ていってください!

これがPanasonic自転車部門のメーカーロゴ。

ここはヘッドパイプと言って、ロードレーサーやピスト、MTB等問わずメーカーのロゴが入っているのがセオリーです。





ヘッドパイプに取り付けられている、ヘッド部品。

自転車部品メーカーSHIMANOの最高峰ブランド「DURA-ACE」です。

SHIMANOの自転車部品ブランドは

DURA-ACE

ULTEGRA

105
(以下略)

と価格帯ラインが続くのですが、競輪部品にはDURAしかありません。

今では時代錯誤なNJS規格ですが、本来その規格自体がギャンブルレースに使用できるほど安定した高品質の部品しか審査に通らないものなので、競輪用部品に下位互換品という概念は存在しないのです。

言うてプロスポーツですからね。
トップクラスの人間がトップクラスの道具で戦うのがデフォルトってことです。

ま、そのせいで俺らクッソ高い部品買わないといけないんだけどな。マジで勘弁してくれよ。

ほら、すぐ金の話で横道に逸れる。

自転車の写真に戻りましょう!





先程のパーツから目線を下げると、こんな細かいところにもPanasonicの刻印が。
職人技を感じます。

これはフロントフォーク。前輪がつくところです。







これはヘッドパイプの上についている方のヘッド部品。

ハンドルステムが突き刺さっているところです。





ここはシートステー。

ここにサドル(座るとこ)が刺さります。

ここは3方向から4本のパイプが集合するところで、左右対称な溶接が必要なため職人さんの高い技術力が披露されている部位なんですよ!





これはBB(ボトムブラケット)といってクランクがつくところです。
ここは最も負荷がかかるため、職人さんの高い溶接技術が詰まっている(以下略)。

ぶっちゃけどこを切り取っても職人技が詰まっています。それが自転車のフレーム。

実は皆さんがお持ちのママチャリも同じような仕組みで溶接されてるので、よくよく細部を見てみると面白いですよ。

自転車って、馴染みがありすぎて特にありがたみを感じない日用品ですが、実は高い技術が詰まった機械なのですよ!





先程のBBの上にはかっこいいシールが。

これは、使用しているパイプの種類です。

上のシールは「カイセイ」というブランドの「019」というパイプ。
下は「タンゲ」の「プレステージ」。

僕のフレームは2種類のハイブリッドです。

言ってしまえば自転車なんてただの鉄パイプなのですが、そのパイプには結構いろんな種類があって、すべて硬さや重さ等のテイストが違うので皆こだわってオーダーします。





BB周りはギミックが多く、どこを切り取ってもカッコイイです。





右側のこっちにはブリッジと言って、最も負荷がかかるBB周りの補強? の部分がついてます。
この小さい繋ぎ目の形で、フレーム全体の強度が変わったり、乗り味も大きく変わるから不思議なものです。





これは後輪がつくところ。

ここにも小さなPanasonic刻印が!
ほんと、細かい所までこだわりが詰まった「作品」ですね。



写真は以上です! いかがでした?

乗っている僕らでさえ、ここまで間近に眺めることって少ないです。

いやぁ、改めて自転車ってカッコイイですね...。
この職人さんの魂がこもったフレームで、一攫千金! を狙って一生懸命走りたいと思います。

よければレースを見る時に、競輪選手の足元にあるフレーム1本1本に職人さんのこだわりが詰まってるんだなぁ! と思いを馳せてみてください。

競輪って思ってる以上にいろんな人が関わって成り立っていますからね。



ってことで、今回は競輪選手が乗っている自転車のフレームを見ていただきました。

部品がついていない状態でしたが、とても写真撮りごたえがあったので、また今度、完成車のタイヤやペダルなどの部品にもフォーカスを当てて撮影してみようと思いますよ。

記事はいつになるかわからんけどな! ご了承しやがれ!

ってことで、また次回〜!






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1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。

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