病院搬送されるレポ|DMM競輪

病院搬送されるレポ

先日、まーーーーーーた落車しちゃいました。

今回は僕の失格による落車なので心から反省してます。
でも、それにしても僕は落車が多いですねぇ(他人事)。

今回みたいに全部ぼく起因なら自分を責めれば済むのですが、ほとんどは「相互」や「巻き込まれ」パターンですからね…。
競輪選手である以上仕方がないですが、こればっかりは運もあるから難儀ですわ。


で、そんな落車にまみれた人生ながら、ここまでの約8年弱の間は一切大きな怪我なく過ごしてきた競輪人生でした。

がしかし! 今回の落車! ついに! 満を持して!
不死身ボディの田村風起くんの肋骨がへし折れました!
ヒューーー! パチパチ!(拍手)

今回は久々に救急車で搬送からの入院ムーブをキメてきましたよ。


競輪を現地観戦している方は、レースで落車があると遠くでピーポーピーポーとサイレンがなるのを聞いたことがあるかと思います。
ご想像のとおり、あれにはしっかり競輪選手が乗ってますよ。

そんな救急搬送、一般人は頻繁に経験するイベントじゃあないですよね(笑)。


ってな訳で、世間の皆さんが滅多に経験することがないであろう競輪選手の救急搬送イベントを、某フリー素材イラストを駆使してレポしていこうと思います。

あくまで「競輪選手が搬送される」なので、競輪的小ネタもあるかも? あんまないかも。

では参りましょう。




落車発生!

ぼく「落車してしまった! 痛いよ〜!(主に心が)」

レース中はアドレナリンが出ているので、身体が痛いけどあんまり痛くない…。
猛烈に日本語が破綻していますが、実際に落車を経験すると意外にしっくりくる表現です(笑)。

走路係員「乗りますか! 乗りますか! 乗りますか!」

これ、3回聞かないといけないルールらしいが、コケてる身からすると煽られているようにしか聞こえない。

ぼく「無理ですェ〜」

今回の僕の場合、肋骨を強打して肺が上手く動かず、ヒューヒュー言いながらやっと声を絞り出しました(笑)。

今さっき「痛いけど痛くない」って言いましたけど、骨が折れると流石に「動けない」です(笑)。

でもたまーに大怪我なのに勢いで乗っちゃう人もいるので、「再乗したから大丈夫そう」は偽りです。




担架で医務室に搬送されます。

競輪場、バリアフリーとはかけ離れた施設のようですが、自転車が通行する前提で設計されているため段差も少なく、担架でコロコロと結構長距離移動できますよ。




そのまま医務室に搬送。

医務室には、近隣の病院からお医者さんが来ておられます。
あとはいわゆる医務室のおばちゃん(看護師さん)が数人。

医務室に搬送されると、レースで着ているユニフォームを脱がせて外傷を確認。

擦過傷があれば水で洗ったり、布でゴシゴシします。

傷口の表面に競輪場走路のアスファルトの破片やゴミが入っているので、そのまま放置すると、単に汚いですからね。様々な感染トラブルの元になるんですよ。

なので物理的に掻き出すのです。

これがねぇ、結構地獄なんですよ。
だって普通に考えて傷口をゴシゴシしたら痛いでしょうよ! アホの所業ですよ!

このゴシゴシ、落車後の興奮してる変なテンションが維持されている間にやらないと、さらに地獄(笑)。
医務室に搬送されたら痛いことはさっさと済ませます。

ぼくの大好きな『競輪王ゼロ』にもこんなワンシーンが…。




©山本康人/日本文芸社


このシーン、選手の立場からすると「よく取り上げてくださったな」というニッチなシーンです。
『競輪王ゼロ』、こういう競輪選手のクレイジーなところを描いてくださっていて大好きなんですよ〜。

当ブログに来られている方は読んだことある人が大多数かな?(笑)

読んでない方はぜひ読んでいただきたい!


ちょっと話が横道に逸れましたね。





もちろん、医務室の段階でまったく怪我がないパターンもあります。
その場合は、医務室で翌日走る旨を伝えたらそれで終了ですわよ。

しかし、翌日走れない場合や、ヘルメットに明らかなダメージがある場合は即病院送りです。

我々は感覚が麻痺していますが、頭を打つって結構怖いことですからね。
明らかな軽傷でも、いったん救急車に乗って搬送されますよ。

今回の僕のように
「あーこりゃ骨折れてるや」
ってパターンも、もちろん救急車で搬送。

競輪場の指定病院という所があって、基本的には救急の患者として送られます。




だいぶ昔のことですが、受け入れ先が見つからず救急車に乗ったままたらい回しにされる…ということもあります。
指定病院って何なんだ…と哲学的になりますね。

最近だとコロナ禍で医療機関がてんやわんやの時期もありましたからね、指定病院を確保できないから開催中止、という事態もありました。




病院に到着。

レントゲンやCT、MRIなど強そうな機械を駆使されて、ぼくの身体をスケスケにされます。

ここで、やっと傷病名確定。
僕で言えば「左肋骨骨折」の診断がくだりました。



ここまで傷病名確定までの流れを一気に書いたのですが……実はこの間、着替えやシャワーはしていません。
落車から数時間経っていますが、レーサーパンツにインナー、汗だく状態です(笑)。

これが結構不快でしてねぇ…。
僕は冬場だったのでまだマシなのですが、夏なんて最悪です。

MRIなんて、数時間拘束されますからねぇ、最悪としか言いようがないですよ…。

検査が終わったら、入院できるなら入院、病室に空きがなかったり、あまりにも緊急性がなければそのまま帰還、という感じです。


ちなみに、スマホは病院に着いたら返してもらえますよ。

僕なんかがTwitterで
「知らない天井だ…」
なーんてふざけたツイートができるのはそのため。





このイラストの病院食は嘘です。
こんなに大満足系のご飯は絶対に出てきません。





こんな感じの全然量が足りない病院食をいただき、翌日お医者さんの許可が出れば晴れて退院です。


このあと、タクシーで競輪場に帰るのですが、落車した相手も一泊入院だった場合、基本的に相乗りです。

さすがに気まずい(笑)。

僕はまだ経験していませんが、「なんでアイツと一緒に帰らないといけないんだよ!」的なくだりもありそう…。しらんけど。


そして、競輪場に帰ったら帰り支度をしないといけませんね。

その際はもちろん、スマホを再度選手管理に預けます。
入場の時点で預け直す形ですね。




そして、痛みに耐えつつ荷物を積んで、やっとこさ帰郷!

お疲れ様でした。



時系列順に書いたのでちょっと長くなりましたね(笑)。

僕は今回、幸いにも軽傷(競輪選手比)だったので数週程度で復帰できそうです。

ほんと、落車は誰も得しない…。

気を付けても、コケる時はコケる…と言っては元も子もないですが、少しでも落車を減らせるようにしたいですね。





これは肋骨骨折して翌々日のぼく

強がりではなく、クシャミでもしない限り痛くなかったんですよね。

僕に限らず競輪選手ってほんとあり得ないくらい元気ですよ…(痛覚が麻痺しているだけかもしれない)。



まぁそんな感じで、ご心配は無用! ながら骨折入院したレポでした!

読者の皆様には極力こんな機会訪れませんように…!

また次回〜





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1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。

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