【12月23日更新】忘れずに次走で狙いたい! 要注目選手ピックアップ【菊地大輔】|DMM競輪

【12月23日更新】忘れずに次走で狙いたい! 要注目選手ピックアップ【菊地大輔】


仲間を助けたい思いが、自分の背中を押した。

真冬のバンクを熱くした菊地大輔(きくち・だいすけ、47歳=栃木・85期)のファインプレイを振り返りたい。




12月18日の松戸ミッドナイト2日目チャレンジ一般1R。

このレースの関東勢は田村武士-落合豊-菊地大輔の並び。
先頭の田村は代謝制度のボーダーライン上。このレースで1着を獲らないと強制引退へ片足を突っ込むほど危機的状況へ追い込まれていた。

打鐘過ぎにカマした時だった。
番手の落合が離れ、別線の自力型・野口修平がすっぽりハマった。そのまま逃げた田村にとっては絶体絶命の単騎先行である。

ここで救世主が現れる。それが田村ラインの3番手を固めていた菊地だ。

最終2コーナーから捲り気味に追い上げ、逃げた田村の後ろで野口にフタをした。これでは野口は番手から抜け出せない。

結果は田村が逃げ切り勝ち。菊地は外並走で脚を使い伸びを欠いて5着に敗れた。
菊地の動き、瞬時の判断は簡単にできる芸当ではない。


レース後の菊地は

「僕が(番手へ)行かないと田村君が裸逃げになるからね。これで自分の着が伴えば良かったけど。でもラインとして自分の仕事はできましたよ」

と、清々しい表情で振り返った。

好アシストを受けた田村は

「菊地さんが追い上げてくれたのが見えてペース駆けに持ち込めた」

と感謝。現役続行へ首の皮が一枚つながった。


自転車を降りればとても温厚な性格の菊地。だが、レースになれば別。目標不在のレースでは番手勝負に出ることもある。そのギャップが魅力の一つだ。

そんな菊地は密かに誇れることがある。

「僕、大差で負けたことがないんです。7着で負けても大差負けはない。これは栃木の先輩にもほめてもらえた。最後まで諦めない気持ちが大事なんです」

この気持ちを持ち続けているからこそ、勝負駆けの田村を助けたい、アシストしたいという動きにつながったのだろう。


自身の直近の点数は67点台と落ち込み、決まり手もない。
だが、絶対に諦めない。人を助ける選手は、いつか助けられる時が来る。それが競輪だ。

たまに高配当を演出する穴党向きの選手。あの熱い走りを見れば、追いかけたくなる。


【次回出走予定】
12月23~25日(大垣FⅡ)
1月2~4日(名古屋FⅡ)

(情報局記者A)



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