【1月18日更新】ここぞで光る熟練技! 今なお活躍を続ける「永久選手」【椿佳友】



強い覚悟でハンドルを握る。
道産子のベテランレーサー椿佳友(つばき・よしとも、54歳=北海道・64期)の口から重みがある言葉が出た。




「この年齢になると毎回走るレースが最後だと思っている。一戦一戦がその気持ち。ケガなんてしたら最後になるかもしれないからね」


デビューして35年目。今はチャレンジ生活だがS級にも在籍した。しぶとい追い込み脚が売りだった。

若手の頃は白星追求の日々。だが年齢を重ねるごとに競走に対する心構えが変わってきたという。

「自分の2着や3着で買ってくれるファンもいる。そういうお客さんのために、あきらめないで走っている」

「今は昔と違ってどのレースも見ることができるから、自分の走りを見て〝この前の走りは良かったぞ〟とか声をかけてもらえると励みになるし、やりがいになります」


あるレジェンドから金言を授かった。
鉄人レーサーとして活躍した伊藤公人さん(故人)から「50歳からでも面白い競輪があるぞ」と耳打ちされた言葉が忘れられない。

「若いときのように全部勝ちたいじゃなくて、割り切っている部分はある。そのレースそのレースで自分に求められていることが違うからね。先行選手が前で頑張ってくれれば捲ってくる選手を素通りさせたくないし援護する。まずは与えられた仕事をしっかりこなしたい」

「そして少ないチャンスをモノにしたい。そのために毎日練習している。チャンス自体が年々少なくなっているが、チャンスは必ず来るんです。だからそのチャンスをモノにできなかった時が凄く悔しい。そうならないように練習を重ねている」


若手には「レースを全力で走りヘロヘロで帰ってこい」と口酸っぱく言う。

その言葉は自分に言い聞かせていることと同じ。レースで出し惜しみや後悔をしたくない。だから一戦一戦が常に全力だ。

「この年齢でも走らせてもらえて感謝している。いつクビを切られてもおかしくないから」


ツバキの花言葉は「気取らない優美さ」。
50歳を過ぎて椿が生き抜く競輪道は勝つことだけが全てではない。ツバキの花言葉と椿の競走信念がリンクした。


【次回出走予定】
1月22~24日(伊東FⅡ)

(情報局記者A)



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