滋賀から奈良に移籍した話〜その2〜
さて、早速なのですが、この記事が更新されたあとの8月に、DMM競輪様のサイトがリニューアルされるそうです。
投票システムなんかはもちろん、どうやらこのブログの掲載場所も変わるようで。
担当氏は「今までの記事、手作業で全部移さにゃならん…」て泣き入ってました。知らんがな!
ぼくが移籍して、奈良支部員としてリニューアルしたように、DMM競輪様の競走得点も鰻登りすることでしょう! 知らんけど!
そんな訳で僕のリニューアルオープン、移籍話の第2回。
今回は競輪場が潰れてから実際移籍するまでの苦悩編!
〜前回のあらすじ〜
いっけなーい遅刻遅刻!
私、田村風起! 普通の競輪選手!
自転車に乗ったことがなかったのに、なんと1年で競輪学校の技能試験に合格できたの!
そのままサクサクデビューして、チャレンジも特進してあげあげ〜!
さー次はS級だ〜! と、思った矢先!
えぇ〜!?地元競輪場が取り壊されちゃう!?
競輪場で練習ができないなんて、走行技術が足りない私はいったいどうなっちゃうの〜!?
そんな感じ。
前回記事、これだけで良かったんちゃうか? って感じやけど見てない人は是非見てね。
そんなこんなで、2017年に大津びわこ競輪場の取り壊しが決まっちゃいました。
結局、街道練習でがんばるぞ〜と決めたものの、競走得点は激落ちする現実。
「バンクのある県に移籍して心機一転頑張ろうかな…」 と思い始めるのにそう時間はかかりませんでした。
移籍ってワード自体はね、デビュー当時から意識の片隅にあったんですよ。
というのも、競輪学校に受かった当時から師匠(岡田裕康さん 滋賀72期)が「ホームバンクがある県に行くのもええんちゃうか」と言ってくださっていたんですよね。
「競輪選手はホームバンクの有無で待遇も、気持ちも相当変わる」 と。
僕の師匠は物事の核心をついたことを的確に教えてくださる方で、言うことを聞いておくと間違いなくいい結果が付いてくるんですよ。
ただ、当然のようにホームバンクがある今となっては「師匠が言っておられた通りだなぁ」と思えますが、競輪学校に合格した直後の当時の僕に、そこまでの行動力と理解がある訳もなく。普通に滋賀でデビューしたんですけどね。
他にも競輪場の取り壊しが決まった時に、フットワーク軽く他県に移籍した人とかも見ていたので、移籍自体に抵抗はなかったんです。
ただ、心に抵抗がないからすぐに移籍できんのかって言われると、いろいろと現実的な問題が出てくるんですよ。
以下、苦悩の数々をトピックス形式でお届け。
・引越しせなあかんやんけ!
めっちゃ根本的な話、所属支部って「居住している県の支部に自動的に所属する」っていうルールのもと所属してるんですよ。
超簡潔に言うと、競輪選手は全員登録されている支部の県に納税している訳です。
裏を返せば、ぼくが移籍したい! って思っても、実際住所を置ける家がないと始まらないんだな。
一応、住んでるところは違っても所属だけ別支部にしてるパターンの人もいます。
でも、そういう人は自分で格安の賃貸住宅を借りて、そこに「単身赴任」形式で籍を置くなど工夫しているのです。
まあ僕の場合は実家暮らしだし、練習環境を求めて移籍したい! って言ってる訳だから、家を借りて一人暮らしを始めるのが現実的だわな。
・どこに移籍しよう…
実家暮らし男子(独身)が一人暮らしを決意するってのは結構なエネルギーが必要ですよ!
別に実家に不満がある訳じゃないし、一人暮らしへのあこがれもなかったから尚更。
でも、流石に競輪選手として頑張ろう! という思いが勝ちましたね。
すぐ移籍への行動を起こし始めるのですが、そこで次の問題。
・滋賀県より住みやすい県ってあるんか?
主観的!!!!
滋賀LOVE過激派の僕は、本気でそう思ってた。
いや、実際のところ近畿どころか全国有数の交通の便の良さ、そして便利さに対する人の少なさ。
滋賀県ってこれが完璧なんですよね。
滋賀より便利な県なんか存在せんのや。
そりゃあ、バンクあるとこに移動するだけならどこでもいいですよ。
でも、せっかく重い腰をあげて他県に引っ越すんだから、生活すべてに満足のいく暮らしがしたい!
最悪、家自体がドンガラ(※編注:内装なしで壁剥き出しのこと。主に乗用車で使う)だとしても周辺の環境や、競輪場へのアクセスが良ければ納得もできるはず。
移籍経験がある人って意外と多いので、開催でそういう人がいたら相談してみたり…。
そんな最中、山口県の某選手に「うちに来たらええやん」と冗談交じりで誘われたのをキッカケに、「近畿にこだわる必要もないか」と真剣に遠方への移籍を検討するなど迷走したりもしましたよ。
例えば、関東ならオタクとして相当なアドバンテージがある(オタク向けライブは基本関東で開催されるため)から関東にしようかな…とかね。
でも物件選びとか、そもそも遠方に引っ越すほどの気力がなかったこととか、現実的なところで結局近畿に候補を絞ったんですけどね。そして……。
・近畿で住みやすい街はどこだ
色々調べたんすよ、自分。
交通の便が良くて、競輪場が近くて、そしてなにより家賃が安い街を…!
まず、福井県は雪が降るので住むには厳しい…!
和歌山県は遠い! 交通の便がちょっと厳しいっすね…。
兵庫は競輪場がない。
そして、大本命の近畿の大都会、大阪と京都!
この2府はなにより家賃が高いんですよね。
そして、車生活慣れしている僕としては道路が混む都市はちょっと辛い。
じゃあ奈良やん。
早速結論出たな!
消去法的な話はもちろん、阪神高速で西に行くにも便利、名阪国道で東に行くにも便利。
そしてなにより競輪場周辺の街が結構便利で、家賃が安い(←これ重要)。
そして人もいい感じに少ない!
これは奈良ですわ!
・めんどくさい手続き
ってトピったものの、選手会の移籍手続きは大したもんじゃありません。
なんせ「在住している県の選手会に所属」するのだから。
行政手続きができれば、転居した何らかの証明書を選手会に持っていけば、なんか勝手に「〇日から奈良支部員ね!」って事務員さんに手続きしてもらえます。
奈良の選手への挨拶も、会う度に随時
「移籍しました、よろしくお願いします」
「おーよろしく!」
だけ。
滋賀の選手にも
「移籍します。ありがとうございました」
「おーがんばれよ」
だけで終了。
挨拶のハガキを送ったりするのは面倒くさかったですが、特に人間関係がややこしいとかそんなんはありませんでした。
何が大変って電気とか水道とかインターネットよな!
賃貸の書類もわざわざ奈良まで取りに行かなあかんしよぉ! まーーーこの部分が苦痛でしたね。
ーーーそして、必死こいて全部の手続きを終えて、晴れて2017年7月!
田村風起くんは奈良県民、並びに奈良支部員となったのです!
もう移籍して4年も経つんですね〜。
これは奈良に引っ越した直後の我が家の写真。
まだ家具が届いてないので、カーテンとテレビと布団だけ設置したクリーンな状態。
まーー引越ししてしまえば楽しいもんですね。
料理も好きだし、今も元気に一人暮らしエンジョイ勢やってます。
その後、物が増え、足の踏み場がなくなり、どうしようもないから引越し…という残念な末路を迎えた最初の我が家。
今は結局この家より少し広い新しい家で呑気に暮らしてます(今んとこ綺麗に保ってる)。
そんな感じで、DMM競輪様のサイトがリニューアルするのにかけて、僕が移籍した話を書きました。
案の定長くなったので2回に分けて良かった(笑)。
実際、奈良に移籍して競走得点は80点代後半を維持できるようになりました。
また、一人暮らしで色々自炊してる様をTwitterにUPする楽しみもできましたしね。
これからも、奈良の田村をよろしくお願いしますよ!
ではまた次回!
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1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。