競輪選手の体重話とミーハーなぼく|DMM競輪

競輪選手の体重話とミーハーなぼく

※DMM競輪リニューアル前の記事となります。
画像が欠損しております。
ご覧の方にはご不便をおかけしますが、何卒ご了承ください。


うわっ! 突然の飯テロ!?


なんなんお前!?

ぼくの大好物のラーメンです。
keirin.jpのプロフィールの好きな食べ物欄はオムライスになってますが、ラーメンも大好きです。

上は二郎系、下は家系ってやつです。
詳しくない人でこのふたつを混同してる人をよく見かけますが、全くの別物です。

僕は二郎系の方が好きですね!
ニンニクマシマシ!アブラマシマシ!


いや、ラーメンの話がしたい訳ではなく!

「そんな呑気なことばかり言ってると気になるのが体重事情…!」って感じで体重の話題に繋げたかったんですぅ〜! 察して!(知らんがな)

この間(って言ってもコロナで会食厳しくなる前のことなので相当前だけど)、友人と飲み屋に行って酒のあてをバクバク食いつつ酒をがぶがぶ飲んでいると

「競輪選手って食事とかめっちゃ厳しいんちゃうん…?」

って水を差しやがるわけですよ。

栄養には気を遣えど食べる物は普通の人間と一緒やろ普通!
ビーガンか何かだと思っとんのか!?
一般人の感覚ってそんな感じなん!?

と、カルチャーショックを受けたことがありました。
ジョッキーやらボートレーサーは体重制限あるので混同されていたのかも知れませんが…。


実際問題、競輪選手をやっている僕でさえ、競輪と体重って関係あるようなないような…? って曖昧な感じです。

いや確実に関係あるんだけど、自転車のセッティングとかと同じで正解が存在しないってのが正しいかな。

増量や減量については、理論の流行りの面や、「人による」感があまりにも大きく"正解"が存在しないのです。

例えば少し前の重ギヤ時代は「増やせ!増やせ!」がポピュラーな考え方だったそうな。
いわゆるゴリマッチョな選手が増えて、実際ゴツイ選手が強かったようです。

体重を増やしてウェイトトレーニングで圧倒的高出力な筋肉をつけ、重いギヤを踏む。
ギヤに踏み負けずスピードが出てしまえばこっちのもん! 鍛えた肉体で風の抵抗をぶっこわせ! という発想。力こそパワー。


まあ僕がデビューすると同時にギヤは4倍以下に規制となったので、僕は直接そのパワー至上主義時代を知らないんですけどね。

それでもデビュー直後は体重は増やしてウェイトした方がいいぞと教わったものです。



(これは増量を履き違えて、ただのデブになってしまった100kgの田村風起くん)


最近の流行りは、出力ワット数を落とさずに減量してパワーウェイトレシオを上げる考え方です。

普通に考えてアスリートは軽くて強い細マッチョのイメージですよね(笑)。そういうスマートで効率的な発想。

ギヤ規制や新ルールで誘導のスピードアップ、またブノワコーチの来日による超効率的な指導理論、 ハンドルを狭くして横方向の前面投影面積を狭くするセッティング…。

そんなハイスピード時代の練習や空力の効率化が急激に進んだ結果、パワーが全ての脳筋思考では太刀打ちできなくなったんですね。

また、それらの効率的な要素をすべて身につけた状態でデビューしてくる新人に太刀打ちできない! 身体を絞ってなんとかアスリート化に着いていかなきゃ…みたいな感じ


(これは減量の結果お腹がへっこんで、あばらまで見える80kgの田村風起くん)(もはや別人)


この通り僕も、意外とイマドキの流行の波に乗って減量に成功しています。

ただ実際のところ、こういうセッティング論とかスポーツ医学の流行に競走得点が左右されるのは、ある程度実力が煮詰まってしまった上位の選手のお話なんですよね。

練習を一生懸命やるだけでは脚力が頭打ちになるような域に達した強い選手が、そんな状況をどうにか打開しようと新しい理論や練習を取り入れるから身になるのだ。

だからA級選手のワイがこういう流行とか理論を語っても、ただのミーハーでしかない!

まずは普通の練習頑張れって話なんですよね(笑)。


そんな立場のぼくがこんな話を公の場で書くのは気が引けたんですけど、ファンの皆様が読む分には面白いかなぁと思って書いてみました。

あくまで「へ〜そんな流行りがあるんな〜」程度の、生暖かく見守るスタンスでよろしくお願いします(笑)。

ちなみにリアル競輪ワールドでは、弱いのに理屈ばかりを追ったり語ってしまう人は「講釈たれ」と言われバカにされたりします。


閑話休題。

今回の話は結局のところ、最初にも書いたように「人による」し、あくまで「流行でしかない」ってのが結論です。

そもそも我流で強い選手もいれば、ガリガリで強い人もいるし、もはやデブの域だけどずっと強い人もいる。
昔気質の根性練習で今でも強い選手だっているし、逆に根性論の時代から効率的な練習を貫いて強かった選手だっている。

合う合わんはもちろん、 流行りの理論がある程度行き渡ると、今度は 「実際んとこ〇〇さん(流行に流されないタイプの人)はハンドル狭くないけど安定して強いぞ!」とか言って元に戻っていく。

そんな感じであっちに行ったりこっちに行ったり新しいことを追いかけて、結局最初に戻ってないか…? 標準が一番では? みたいになるのが競輪選手です(笑)。

お客様にひと言物申しておくとすれば、競輪選手の体型の変化が成績に直結すると考えるのは危ないぜ! ってことですかね。

アスリート化が急激に進む昨今の競輪界を少しでも楽して生きていきたい! と流行の波に流されてるだけの、一般クソザコ競輪選手目線の「競輪選手と体重」のお話なのでした。

めでたしめでたし。
 
 



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1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。

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