coffee
ガリガリ ガリガリ…
ガリガリ ガリガリ……
とととととと......
あーいい香り。おはようございます。
淹れたてコーヒー召し上がれ。「くみにい」です。
前回からの続きのようになりますが、今回も開催指導員の話になります。
朝、指導員として競輪場に入るとまずコーヒーの豆を擦ります。少し熱が入るともういい香りがしてきます。
ゆっくり時間をかけてコーヒーを入れてから、ひと通り挨拶しに行きます。
管理、番組、検車。それぞれに顔を出して気になることや問題がなさそうか様子をうかがいます。
次に前日の書類をその日のレースが始まる前に書いて片付けます。
そうこうしているといい感じでコーヒーの飲み頃。
新聞を広げてのんびり時間を過ごします。
だいたい仲のいい同期や同じ歳の頃の選手がそのタイミングで入ってきて、まさに今できたばかりのコーヒーを自分で淹れました! ぐらいの感じで自然にコップに注いで
「あー美味しい。オハヨ」
と話し始めます。
コロナ媧になってからはどうか知りませんが、自分が指導員をしていて好きな時間の一つでした。コーヒーの飲めない選手には、ココアやミルクティーなども用意していました。
持論ではありますが、指導員室に用がなくても選手が顔を出してくれるのは、すごくありがたいことでした。
少し美味しいお菓子とちょっと贅沢なコーヒーを用意して、みんなが集まってくれればな、と。
その時の雑談の中に実は、不満や問題のタネが混じっていて、まだタネのうちになんとかしてしまえば仕事が少しで片付いたように思います。
だからサボって、ただコーヒー飲んでいたわけではありません(笑)
この状況でもう一つ助かるのは、レースが終わって興奮して入って来た選手が、エキサイトしにくいってことです。
そんなのほほーんとした雰囲気の所に、勢いよく入って来たらコーヒーの良い香り。
怒りにくいですよね?(笑)
それでも不満を言い出して、指導員(私)が理由や根拠を話しても、納得してもらえない時や余計にカドが立つことがあります。
その時は第三者(他のコーヒー飲みに来た選手)が優しく? 説明してくれると納得してくれるんです。
たぶん、なんちゃらのなんとか効果みたいなのが働くんでしょう。
それを知っているので、いつも美味しいコーヒーを一生懸命作っていました。
(競走終わりの選手の足にはオイルがついているので椅子をタオルやシートでカバーしています)
いい指導員さんを目指したけど、結局いつも周りの選手や管理に助けられっぱなしだったなー。
だからよく指導員さんはストレスが溜まるとか、人が変わるとか聞いていたけど、自分はずっと楽しくできたから良かったと思います。
たくさんの人に感謝して、残りの選手生活を過ごします!
【今回の締めの格言】
「蟻がとうなら毛虫ははたち」
競走終わりに先輩選手にひと言。
「今日はありがとうございました!」
「ん! 蟻がとうなら毛虫ははたち」
……もう何のことやらさっぱりわからない。
現役競輪選手。香川支部香川道場所属71期。現在はA級3班。自転車を、そして競輪を心から愛するナイスガイ。その競輪愛はもはや「ファン」と呼んでも差し支えないほど深く、同業者である他の選手からサインをもらうほど。愛称は「くみにい」。