【11月15日更新】ここぞで光る熟練技! 今なお活躍を続ける「永久選手」【小林覚】
「カクさん」の愛称で後輩レーサーから慕われている小林覚(こばやし・さとる、神奈川=56期)。
前検日は競輪場に早めの到着。
「やることをやってゆっくりしたいから。ガヤガヤしたところで自転車を組みたくないんだ」
と検車場で誰よりも早く準備を進める。
レース後は敵味方は関係なく
「いい先行だったな」
「よく伸びていたな」
と後輩たちに声をかける。
元気ハツラツで明るいキャラクター。周囲のムードを明るくさせる〝検車場の太陽〟のような存在だ。
昭和60年(1985年)デビューの小林は11月4日で60歳を迎え還暦レーサーの仲間入り。
「自分が一番びっくりしているよ」
と、こんがり日焼けした顔をほころばせた。
選手生活は38年目に突入。
そんな小林に勝負の世界で長生きする秘訣を聞いてみた。
「それは気持ちを切らさないことだね。今は足腰が痛いし膝もダメ。それでも練習はコンスタントにやっているし、強い気持ちを持ち続けている」
「この年齢になると練習をやればいいってもんじゃない。やり過ぎると疲れが取れなくなっちゃうから」
「それに年齢を重ねたことで競輪に対して真面目になったよ。4年前から肉体改造に着手して下半身のウェートを取り入れている。今は膝が痛くてやっていないけどね」
来期からはチャレンジ生活だが、弱音は一切吐かない。
「今期は2班だから降班した最初の2カ月は高い点数を持っている。そこが勝負」
と、闘志は燃えたぎるばかりだ。
思い出のレースも振り返ってもらった。
「91年の高松オールスター(①①②❽)は初日に捲って1着だったんだ。あのときは体が軽かったなあ。2日目は滝澤(正光)さんの先行で1着だったね。あとはS級初優勝を飾った青森(1989年6月)。神山雄一郎が相手だったよ」
と手振り身振りを交えながら懐かしんだ。
「これからはケガをしないで楽しく頑張っていきたい。(現役最年長62歳の)佐古雅俊さんはいい目標だし、同期は5人、同い年は7人いるから、やっぱり意識するよね」
この写真で着用している自身の似顔絵入りTシャツは海野敦男(うんの、あつお、静岡=69期)がつくってくれた特製品。
選手仲間に愛される「カクさん」の笑い声が今日も検車場に響いている。
【次回出走予定】
11月25~27日(前橋FⅡ)
(情報局記者A)
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