【10月17日更新】ここぞで光る熟練技! 今なお活躍を続ける「永久選手」【新田康仁】
来年3月で50歳になる新田康仁(にった・やすひと、49歳=静岡・74期)が若々しい走りを見せている。
今年5月にはGⅠ日本選手権に7年ぶりに出場。
そして今期(7月~)は17勝を挙げ、9月の地元FⅠは完全Vを飾った。
早くも来年3月のGⅡウィナーズカップの特選シードでの出場が濃厚になっている。
昨年は失格やケガの影響などでA級暮らしも経験した。
再びS級に戻り、50歳が近くなってきても鋭いタテ脚は健在だ。
「若い時はとにかく負けたくないという気持ちがあって、人一倍やらないと勝てないっていうスポーツ根性論みたいな感じで練習もやっていた」
「効率的な体の使い方を意識したことにシフトしたこともあったけど、結果的に全然分からなかった。自分はなんでもできる天才だと思っていたけど、そうじゃなかった。凡人でした」
年齢を重ねてもハードな練習をやり続けた。
「昭和の考えの人間なので。やり込んでやり込んで、体が勝手にやってくれるようになるのを待った。苦しいことをやれば、体がいかに楽に動けるようになるかを考えてくれて苦しくならずに動けるようになる。結構キツいけど、やらなきゃダメだなって」
08年のサマーナイトフェスティバルを優勝してGⅡ覇者になった。
その年の高松宮記念杯競輪は準優勝。あと少しでGⅠタイトルホルダーの仲間入りも果たしていた。
その後、骨盤骨折など大ケガも経験したが、あれから15年たった今でも闘志は全く衰えていない。
その原動力はなんなのか。
「こんなにいい仕事はないですよ。好きなことをやってお金をもらえて、1着を獲ったらお客さんに喜んでもらえて」
「勝っても負けてもレース後はお互いを称え合って。またGⅠに出て、さらに上位で戦いたい気持ちは常に持っていますよ」
取材したGⅢ熊本記念in久留米では、様々なさまざまなプリントをしたTシャツを見せてくれた。
「小学校時代からガンプラ(『機動戦士ガンダム』のプラモデル)づくりが趣味で、ここ5年くらいはミキシングっていうカテゴリーの、いろいろなキャラの部品を組み合わせた凝ったものを作ってますね」
レースの合間は、自身のガンプラ作品や息子さんが書いた絵をプリントしたTシャツを着てリラックスしている。
「競輪が大好き。衰えは感じるけど、年齢は言い訳にならない。努力次第ではカバーできる。やれるところまでやって、体がぶっ壊れるまでやって、やれるなら70歳でも80歳まででも、ずっとやっていたい」
強さを支えるのは、根底にある〝競輪が大好き〟な気持ちだ。
【次回出走予定】
10月26~28日(玉野FⅠ)
(情報局記者A)
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