【8月8日更新】ここぞで光る熟練技! 今なお活躍を続ける「永久選手」【渡邉藤男】



5月に57歳となった藤男(わたなべ・ふじお、57歳=栃木・57期)。




86年のデビューから選手生活38年目に突入した。

現在はA級暮らしが続いているが、GⅡ優出があり、GⅠも4回出場している。
ただ、意外だったのは優勝がこれまで10回だけなのだ。

「優勝にはほんと縁がなかった。そもそも以前あった新人リーグで2回落車して、2回とも鎖骨を骨折した。昔はその頃の成績がクビの対象にならなかったけど、今の制度だったらクビになっていたかもしれない。でもその後に頑張れて42歳までS級に居続けられた」

「最後のS級は51歳の時。そこからはA級ですね。42歳の時に腰を痛めて、S級1班からA級に落っこちたんです。腰が痛くて朝、起きれない。靴下も履けないくらいになってしまって…。練習も満足にできなかったですね。5、6年くらいは満足いく練習ができなかった。あとはいろいろあって辞めようと思った時期もあったね」

それでも、渡邉を奮い立たせたのは家族の存在だった。

「自分が潰れてしまったらうちが潰れるぞって、自分にプレッシャーをかけてやっていた。気持ちだけは負けられねぇって思ってね。気持ちが折れたら終わり」

「やっぱり勝った時は嬉しいし、負けた時は悔しい。嬉しい気持ちをまた味わいたくて頑張ってきたかな」


自身を「無趣味だし、不器用なので何もできない」と自虐的に話す。

「辞めたって何もできないしね。最近は子どもたちが自立して、何をモチベーションに、ってよぎることもありますね」

そんな渡邉が今、競輪選手として楽しみにしているのは

「仕事で全国を回って、観光したり、同期に会うこと。どの街も好きですよ」

と、笑って教えてくれた。


現在も右の太ももにしびれが出るなど、体の調子は万全ではない。

「自転車に乗っている方が楽ですね。日常生活よりも」

そんな中でやれる範囲での練習を行い、レースに臨んでいる。

レースの前後のリフレッシュがエネルギー。
最近はレース間隔が詰まっていたが、8月2~4日に走った久留米から22日前検の函館までは、中17日と久しぶりにゆっくりできる状況だ。

前検日のコメント次第ではあるが、体のケアと心のリフレッシュも十分ならぜひ2、3着で狙ってみたい。


【次回出走予定】
8月23~25日(函館FⅠ)

(情報局記者A)



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