【7月2日更新】ここぞで光る熟練技! 今なお活躍を続ける「永久選手」【中村光吉】
今回の「永久選手」は特別編として、前期でバンクを去る中村光吉(なかむら・みつよし、56歳=三重・60期)を取り上げたい。
S級在籍期間も長く、いぶし銀のしぶといマーク戦が売りだった。
代謝制度での引退となったが、今年前半は車券に絡むことも多く健脚をアピールしていた。
バンクを去る引き金となったのは花粉症。
「3月に発症してそれがキツかった。一気に6着や7着を取るようになってしまった。前半の頃は(点数確保が)行けそうな感じだったんだけどね」
オフがない競輪選手。
季節で成績が乱高下するのは仕方ないところだが、ガッツある走りを見ればまだまだ戦えそうな気迫を感じさせる。
思い出のレースを振り返ってもらうと、真っ先に挙げたのが「競り」のレース。
08年8月の青森FⅠで浅井康太と連係した時だ。
「準決勝、決勝と浅井の後ろで二度とも競られてしまったんだ。宗景(祐樹)にね」
と、遠くを見やりながら回想。
弟弟子の番手を死守しようと必死に戦った。
ラストランシリーズの青森ミッドナイトでは、中村の集大成とも言えるマークテクニックを披露。
初日に逃げた南儀拓海の番手を回ったが、不意を突かれて内から競り込まれた。
それでもアウト競りでしっかり押し込み、南儀に食らいついて3着。
56歳のベテランが見せた最後の意地だった。
36年の選手生活に幕を下ろすが、気迫と執念のマーク技術は後輩たちに受け継がれていくだろう。
【次回出走予定】
なし
(情報局記者A)
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