競輪参加後に陽性者が判明する仕組み|DMM競輪

競輪参加後に陽性者が判明する仕組み

今回はクソブログの皮を被った競輪コラムです。
真面目です。

斡旋をしない処置で仕事もなく、クッソ暇だからダラダラと長く記事を書きました。
いつも以上に記事がながーくなったので、まずは僕が菜の花畑にいるクソみたいな写真で和んで心を鎮めてくださいね。




ここで「写真きっしょ」と思った人はもう俺のブログにはついてこれねえよ。脱落。ブラウザバック!



なーんて、いつも通りのクソ茶番から始まりましたが、今回は結構真面目に記事を書きました。

何度も言う、長いぞ。
和みスポットはこれで終わり! 覚悟せよ!



まずタイトル、お客様で気になってる人多いんじゃないでしょうか?

タイトルの問題だけではなく、選手を含め競輪業界は

「対策は万全! PCR検査してます! 抗原検査してます!」

って声を大にして言ってますが、PCR検査と抗原検査の違いや、運用方法をあまり発信していないので

「ほんまにちゃんとやっとるんかい?」

って思われてもおかしくないですよね。僕がお客様の立場だったら思ってますね。ハイ。


実際のところ最近、オミクロン株の急拡大で開催中止や打ち切りが多数出ており、業界の側の人間としては申し訳なさを感じているのが正直な所です。

また、ごくごく一部の選手とか関係者がSNS等でコロナに関して少々モラルを欠いた発信をしてしまったこともあって、お客様には

「競輪界はコロナへの意識が低くて、対策が甘いから中止が頻発するんだ」

と思われている節もあると思うんです。
ってか、僕がお客の立場だったらそう思っちゃうよね(二度目)。


しかし、こんな形ではありますが、中止や打ち切りの報道が出る度に

「競輪がないことに文句を言うほど、競輪を楽しみにしてくれているお客様がたくさんおられること」

が浮き彫りになり、走ってる側としてはすごくありがたみを感じましたよ。


競輪界は社会の縮図なので、ぶっちゃけ反ワクチンの選手もいますし、コロナはただの風邪論の右だか左だかよくわからん思想の選手も関係者も少なからずいるのが正直な所。

思想は自由だと思いますし、競輪選手2000人いたらほんといろんな人がいます。
多様性の時代でもありますしね。

しかし、マジで少数も少数。
ごく一部の偏った人間の意見が拡散されたり、お客様に対策不十分の偏見を持たれたせいで業界全体の印象が引きずられるのはとても悲しい!


選手のSNSってあくまで自主運営なので、「あの選手がTwitterでいいこと言ってた」はソースになりにくい。
そのくせ悪い話はすぐに広まる。

さぁ! DMM競輪様をバックに競輪業界として、公式記事を書くことができる当ブログの本来の力を使わせていただく時が来たぞ!

日頃クソみたいな記事ばかりの当ブログですが、ここからは真面目に最近のご時世で我々がどういう対策をしているのか、そしてタイトルにしたような、ちょっと気になる裏事情も書いてみようと思います!


マジで何度も言うけど、この記事いつもにも増して長いです。
もしタイトルの問題のみが気になる方とか読み飽きた方はスクロールしていただくと、ここのすぐ下みたいな感じで太文字の小見出しを目立つように作ってあるので、都度そこまで飛ばしていただくようお願い致します。




・まずどういう対策しとんねん

まず最初に書いとくんですけど、大前提として競輪界はコロナ対策めっっっっちゃ頑張ってます。

冒頭にもあった通り、参加前の定期PCR検査に加えて、前検日には自宅出発直前に抗原検査を行い、その両方の資料を競輪場敷地に入る前にスタッフに提示して、検温を行ってからやっと駐車場に入れます。

さらに駐車場に車を停めたら、荷物を下ろす前に、健康管理手帳を提出。
これは毎日検温を行い、体調に異常がないか、またやむを得ず密になる所に行ったかどうかを記入するノートみたいなものです。





さらに施設に入る前に再度の検温、消毒までクリアして、やっと自転車を運び込むことができます。長い!(笑)



宿舎ではひと部屋の人数を減らしたり、サーキュレーターを一部屋に何台も置いてガンガン空気を循環させ強制換気したり(今の時期クソ寒い)、ベッドとベッドの間の通路にはけたたましいビニールの仕切りまであったりします。

レース後には息があがってハァハァ(性的)してしまうので、息が整うまで極寒の外気に晒されたところで椅子に座って待機させられます。

そういえば賛否ある7車立開催も、そもそもは全体の参加人数を減らすための措置で始まりましたね。


その中で不便なのが、開催中のマッサージ(今までは外部からマッサージや按摩の方が毎日来てくださってた)が禁止、サウナも禁止。

今の時期だと換気が行き届きすぎて、ウォーミングアップを行う検車場も結構寒い…など挙げるとキリがないのですが、こういうパフォーマンスに直結する部分まで圧迫されているんです。

しかし、そのあたりには文句は言わずに、少しでもいいパフォーマンスを引き出せるよう皆一生懸命工夫していますよ。

何だったら密回避のため、控え室が使えないところまでありますからね。

宿舎の個室からレースに直行。これが相当不便なんですよ〜。洗濯物も干せねーし。
たぶん、実際に見ていただいたらお客さんが想像してる何倍もしっかり対策してますよ。



でも、残念ながら全国から選手が集まることと、集団生活が余儀なくされる点で、リスクはゼロにはなりません。

ってことで、ここまで対策をしても選手や関係者に新型コロナウイルス感染が発覚して中止になったり打ち切りになったりしているのです。

そこで疑問になってくるのが

「陽性選手が開催中に発覚するってどういうこと?」

です。



・なぜ開催中に陽性が発覚する選手が出てくるのか?

そのPCRとか抗原とかの検査を毎日やっとるんか?
ってそう思われても仕方ないですよね、違うんですよ。

あ、ひとつ言っておくと、中止の文言に「関係者に陽性者が発覚したため」って書いてあっても、選手が感染したのか、JKAが感染したのか、スタッフが感染したのか、なんなら警備のおっちゃんが感染したのか? については僕ら選手も知りません。
お客様と同じ情報レベルです。


その中で今から述べるのは、参加選手の感染が発覚するパターンについてです。他は正直知らん(笑)。

また、最近なぜ最終日打ち切りという訳分からん事態が多発しているのか? というところもピックアップします。



まずは検査の説明。

一番の重要ファクターのPCR検査

これは以前記事にしたことがあるのですが、唾液やらの体液の検体を採取して、検査センターに送って陽性陰性の判定をしてもらう ってやつです。

この検体は郵送するので、どうしても検体採取から2〜3日の検査時間ラグが発生することがあります。
タイミングによっては郵便配達が遅れることも。

そのため、余裕を持って開催の6日前に発送します。
これは「6日前に提出するように」とルールで決められています。

まあ、最近では検体を速達で提出することと、検査の需要が高すぎて検査センターが増設されまくってることで、検体を送った翌日には陽性陰性の結果が出るようになりましたよ。

世界がコロナに合わせて進化している…!

ちなみに、レース間隔が短く参加中に検体を提出しなくてはいけない選手は、参加中は外に出られないので、PCR検査検体と切手代金を選手管理に渡し、代行で投函してもらったりします。




次に抗原検査

これは検体(唾液とか鼻に突っ込む棒とか)を自分で直接ぶち込む、簡易検査キットです。
あくまで簡易の民間検査なので、正直感染ごく初期の菌が少ない状態だと精度がイマイチだそうで。
しかし、体内で菌が爆増していたらきちんと陽性判定が出るので、もちろん水際対策としては有効。

抗原検査はあくまでもPCR検査の補助として使われています。




どちらも陽性が出たら即欠場。というか、保健所送り(笑)。

さて、いつもの如く本題に入るまでが長いのですが、参加後に陽性者が判明するカラクリにお気付きでしょうか?


そうです。
「PCR検査を開催の6日前に提出する」というタイムラグと、「菌が少ないと、保菌状態であっても陽性判定が出にくい抗原検査」が原因なんです。


例えば、2月6日が前検で9日までレースに参加している選手がいるとします。
この選手は2月1〜2日にPCR検査を提出して、無事陰性のためレースに参加しました。

でも、移動中にウイルスが体内に侵入、保菌したがガッツリ感染してないので抗原検査は突破。

この選手の次のレースは、中3日の2月13日が前検日の開催です。


この選手がPCR検査の検体を発送し、結果が出るのはいつでしょうか?

って、ここまで書いたけど文字だとややこしいので図にしてみました。





ど、どう? わかりやすい?
わかりやすいって言って!!!!!!
頑張って書いたの!!!!!!

これが、最近開催最終日の中止打ち切りが多いカラクリです。

陽性が判明した時点で、保健所から選手の家族に連絡が入り、もちろん競輪場にも知らされます。
その時点で打ち切りせざるを得ない、って訳ですね。

ちなみに、基本的には斡旋の間隔は最短で3日空けなければ行けないルールなのですが、追加や流用ではその限りではありません。

中2日だったら参加2日目に結果が出ます。


何度も書くんですが、抗原検査は菌が増えていない状態 → つまり感染ごく初期や保菌しているだけでは陰性と判定されてしまう可能性があります。

なので、ウイルスを貰ったけど体内で増殖していない、もしくは、自宅を出る時には間違いなく陰性だったけど、参加時の公共交通機関または道中でウイルスを貰ってしまったという場合は、正直どうしようもありません。


皆様ご存知の通り、開催現場は八百長防止のため通常開催だと、参加選手は4日間も宿舎に缶詰になります。

そこにウイルスが持ち込まれると…?

クラスター待ったナシ!



・立場の弱い競輪運営

ぶっちゃけ、選手や関係者が感染したとて、症状でてない元気な人間だけで競輪やればいいじゃん!最終日なんやし走ってしまえよ!って意見、すごくわかります。


選手だって、走れるんだったら走りたいですよ。

参加後の施行者都合の契約解除は補償金として賞金の何割かを受け取ることができるのですが、普通に走るよりもちろん少ない。
施行者さんの立場だと、競輪の売上が無いのに選手にお金を支払わなくてはいけない。
これは関わる皆が大損ですよ、だから業界に関わる人間は誰だって競輪を中止にしたくはないんです。

じゃ、なぜそんな中でひとりの陽性が判明しただけで大騒ぎして中止にしなくてはいけないのか?



ここに述べるのは僕が勝手に思ってる偏った思想が含まれています。また、それ以外にも様々な要素があるので、生暖かく眺めてください。

競輪場というギャンブル娯楽産業自体が、元々世界になくてもいいものだからです。

もちろん、売上が上がっている今では赤字運営の場も減り、地方市町村としても重要な収入源でしょう。
楽しみにしているファンの方々も沢山おられるし、なんなら競輪を通して人生まで見出してくれるお客様までいる。

しかし、いくら法律に守られ、地方財政にも貢献しているとはいえ、競輪のことを好きでもない大多数の民間人からすれば都道府県や市町村が税金を使ってギャンブル場を運営している、という認識でしかない訳です。

悪い要素が浮き彫りになれば、そういう大多数の住民の票が欲しい政治家はすぐに「競輪場廃止」をネタにします。

もし競輪開催が原因でクラスターが発生したとしましょう。
本来なら競輪のスキャンダルなんてニュースにもならんのに、政治家は「税金を無駄使いして、挙句の果てにクラスターまで発生した競輪場は悪だ!」と悪いように印象操作して、競輪に興味すらない住民をも煽りますよ。

必要悪を悪と言うだけで、手軽に地域改革をした手柄に近付けるのだから、そりゃあ人気取りの道具として利用されますよ。


従って現状は、黒字の競輪場ですら、競輪肯定派の議員さんがその「競輪場廃止論」自体の問題提起をされないように回避して守ってくださっている状態であり、あくまで「置かせてもらってる」立場なんです。

だから、実害の大きさは関係なく、目立った話題が出た瞬間、それを餌に改革案の槍玉に挙げられ廃止論が浮上する可能性があるんですよね。



これは情勢だけ見て偏った思想の若造が偉そうに講釈を垂れている訳ではなく、実際にホームバンクである大津びわこ競輪場が廃止になる様を間近で見てきた僕だから書いたことです。
また、僕の師匠は当時の滋賀支部支部長だったため、廃止に纏わる生々しいお話をたくさん聞いてきました。

政治と宗教の話はするな、というのは鉄則ですが、ホームバンクを失った立場で、かつ文章を書く場がある選手って貴重ですからね。今後も残る物なので思い切って偏ったことをいろいろ書いちゃいました。

まぁ皆にそれぞれの立場があるのは承知の上で、選手の立場から見て思ったことを赤裸々に書いてます。

もし不快に思った方がおられましたらすいません。



しかしほんと、呆気ないですよ。

競輪場が潰れる時って。

問題提起された時点で、僕ら競輪関係者の意見はマイノリティでしかなくなるんです。

民主主義、多数決の原則の元少数派の我々の意見は無視され、追い出され、大切なバンクが壊されていく。

無常ですし、虚しいもんです。



従って、新型コロナウイルスのクラスターが「競輪場で」発生した!と、競輪場が表舞台に立つ事、それすらもヤバイ。
結構脆い業界なんですよ。うちって。

だから競輪界を守るために、リスクが出た時点で打ち切りにするのがスマートな動きではあるんです。



・そういうなら、今以上に対策とかもっとちゃんとしろよ!

毎日検査しろよ!
質の悪い抗原検査が原因って分かりきってるじゃん、もっと精度の高い検査を導入して、開催に持ち込ませんなよ! 等々…。

落ち着け落ち着け〜!

多分もう業界はいっぱいいっぱいだ。

まず、抗原検査キット安く見積って1000円を月3つ、競輪選手2000人に支給。
これだけでもう600万。

PCR検査キット、市販価格は15000円です。
業界はまとめて注文して安く仕入れてるかも知れんけど、まあ市販価格で過程したら15000×2000で3000万、月3本で9000万です。

これ、たまたまコロナの巣ごもり需要で競輪の売上が上がったから良かったものの、今まで通りの売上で毎月これだけの経費、支出が増えたら破綻ですよ! 破綻!

見えるところだけ計算してこれです。
経営の話は詳しくないですが、最初に述べたサーキュレーターとか、小さいところで結構お金もかかってるでしょう。
たぶん、JKAも、選手会も、施行者(競輪場)も、予算的に言えばもうぶち込めるだけ対策に金をぶち込んだはず!



ってなると後は、選手がいかに気をつけて生活を送るか、とかのモラルの部分になってしまうんです。

酒を飲みに夜の街に出るだとか、人混みの遊園地に行くだとか、娯楽の部分で感染したら言語道断!


しかし、選手も人間ですから、家族が働きに出ている家、お子さんが学校に通っている家など、人間として人生を送っている時点でどうしようもないところはありますよね。

何事にも、無理ってもんはあります。

そんな状況なので、感染者が出たら中止! でも出るまで頑張って開催します!
って、スタンスでやらないと仕方ないと思ってしまいます。

また、現状民間でできる検査は抗原検査がもっとも精度のある検査。
それ以上は医療行為になっちゃうので、今は抗原検査で対応するしかないのです…。



・総合すると

現状、競輪界では対策をやり切ってると胸を張って言えます。

胸を張るべきは全力で開催運営を行ってくださる施行者やJKAの方々ですが(笑)。


そりゃ医療行為まで含めるとまだできることはあるのかもしれませんが、結局コロナ対策は三密を避けてマスク、手洗いうがい消毒を徹底する事だと世間でも結論が出ています。

競輪界は世間の縮図です。
世間と同じく、民間ができる予防を徹底すれば猛威は収まるはずですが、ごく一部の人間が羽目を外すとすぐに広がります。

また、今回のオミクロン株はクリスマス、正月の気の緩みと、移動で大爆発してますからね。

選手は絶対に移動が必要な仕事なので、そこはほんとどうしようもない。

しかし、ただでさえリスクを抱えてることを自覚して、まずは言われたことを文句言わずに遂行する、これに尽きると思いますよね。

無理して我慢しろとは言わんが、羽目を外してるお前は世界に置いていかれてんぞ? とは言いたいね(独身一人暮らし、羽目を外す機会すら与えられない負け犬の遠吠え)。



選手じゃなくても、もしこの記事を読んでる方の中で、こんなご時世に羽目を外してる、外そうとしている方がおられたら、ちょっと落ち着いてみませんか?
高いモラルが「当たり前」になった時、自由な世界が待っているはずです。



と、ヒートアップしてお前誰やねん偉そうにと言われそうになってきたところで記事を締めようと思います。

様々なご意見あるかと思いますが、これは僕のいち感想です。
自分とは考え方が違うな〜と思った方がいても、僕の意見に寄り添う必要もないですよ。

こんだけ書いといて、僕はワクチン打ってませんからね(笑)。

考え方は人それぞれだし、僕は自分を棚に上げて口とは違う行動しがちです。

ま、書くのは自由なので皆も思うことがあったら、発信してみるのをオススメしますよ!

考えを文字に起こすのはとても楽しくて有意義なことです。



いやーーなんだよこれ。

なんて長い記事なんだ、誤字脱字確認しようと読み返すのがしんどかったぞ…。

皆さん大変お疲れ様でした。
ここからは趣味で動物撮影をしている僕が最近撮った写真で和んでください…。



木登りするアリクイ




向かってくるオオカミ




アグレッシブなナマケモノ




派手に着水ペリカン




勇ましいミーアキャット





脳が回復しましたか…?

人間が嫌いになりそうな時は動物を眺めましょう。

次からはいつも通りのクソブログを作り上げていきますので、皆様匙を投げないでくださいね。

じゃ、また次回! お疲れ様でした!





Twitterやってます。是非お気軽にフォローしてくださいね! 


1995年3月30日生まれ。滋賀県出身。 日本競輪選手会 奈良支部所属107期の競輪選手。現在はA級2班。同期には新山響平、山岸佳太、簗田一輝など。 ……以上はすべて仮初めの姿であり、本業は某アイドルのプロデューサーであるともっぱらの噂。 ドール、カメラ、声優など、さまざまな「沼」に足を踏み入れている。

この記事をシェアする

FacebookTwitterLINEはてなブックマーク