奥深き「ライン」について松山の地にて語る
皆さん、虎んにちわ!
防府記念ではせっかく皿屋選手の絶好の番手にいながら、離れていってしまい情けない虎です。
でもこれからも恥かいて、ベソかいて、汗かいて一生懸命に頑張ってまいりますので、見捨てずに応援をよろしくお願いします。
ということで、24回目の今回は競輪にとって一番大事な、他の公営競技にはない「ライン」について書いてみたいと思います。
ちなみに今、松山ナイター開催終わりに書いてるところです。
ナイター終わりだと宿舎に泊まらせてもらうことが出来るので、宿舎の中で書いてます!
(手前が山田晃久さんで奥が北野さんです。開催終わりに部屋でリラックスしています)
ちょっと話が飛んじゃいましたがラインについて。
ラインとは基本的に地区同士が並んで、協力してレースをするために形成した仲間のこと。基本的に自力屋がいてその後ろに追い込み屋、マーク屋が並ぶ形が多いです。
中部地区なら中部地区で近畿地区なら近畿地区で、基本並んでだいたい3人で形成されるものがほとんどです。たまに2人や4人、多いときには5人以上で並ぶときもあります!
これは、やはり同じ地区だと絆を大事にして、自分の勝つ確率が下がってもラインを重視します。仲間が増えるとその分有利になり、多くの人数が並んでラインが長くなるのもそのためです。
しかし、勝負の世界なので、貪欲に勝ちを目指して同じ地区でも並ばなかったり、他地区のラインに付いたりもします。
また、これも競輪の見所のひとつですが、他地区のラインの番手に競りにいくなんてこともあります。
ラインはけっこう奥が深いと僕自身思っています。
ライン形成が決まるのは、前日にレース番組でメンバーが発表されてから。
だいたい9人(チャレンジのように7人のときもあるし、欠場などで6人なんてときもある)なんですが、例えば中部が3人で九州が3人で関東が3人だったら、キレイな3・3・3のラインが出来ます!
こういうのはわかりやすいんですが、「中部2人・九州2人・四国2人・関東1人・北日本1人」とかだと、1人の人たちがどうするか悩んで他地区の後ろにまわることがあります。
こういった場合、レース番組が発表されたときに「明日よろしくね」とか「明日後ろ付かせてもらうから」とか「よろしくお願いします」みたいな会話が行われます。
僕自身「この人に後ろついてもらえるんだ、嬉しい」とか「緊張する」とか、そんな感情が湧いたりもします。
ラインを組むっていうのは本当に大切なことだと思いますし、これが競輪の醍醐味だとも思います!
(前日に発表される番組表)
同じ地区の仲間でラインを組んで、他の地区と対決するのは見応えがあります。何より個人だと敵わなくてもラインで対決すると、強い選手にも勝てるのがラインの魅力です。
ラインは決して1+1+1じゃないんです! 掛け算にもなりうるし、たまには引き算になるなんてこともあります。
ラインの仲間同士がどういう風にラインを強くするのか。
普段からの付き合いだったり、走る前の作戦会議だったり、ラインの仲間同士の信頼関係がすごく重要です。
他にも挙げればキリがないんですが、選手の思惑やプライド、こだわりもあります。先行屋の逃げや捲りのテクニック、追い込み屋やマーク屋の技術など。
ラインひとつとっても、競輪は奥が深くて面白いと思いませんか!
あと、最大目標はラインでワンツースリーを決めることです。決められた時はサイコーに嬉しいものなんです。
そんな熱くて面白い競輪を生で観戦していただける絶好の機会が!
11月19日から24日までの小倉で開催されている、今年最後のGⅠ「競輪祭」です! ぜひ足を運んで、その凄さを肌で感じてください!!
応援や声援は選手の力になるので、よろしくお願いいたします!
追伸
今回、松山開催中に中国地区の◯藤選手から「坂上さん、最近ブログの更新を怠ってるんじゃないんですか?」って、いつもの◯藤スマイルで生意気言われました。
なので、絶対にこの開催終わりに書いてやるって決めてました!
ちなみに最終日、一緒のレースで◯藤選手をラインでやっつけたので、得意の◯藤スマイルは消えてました(笑)。
1978年1月25生まれ。競輪選手。80期。A級1班。石川県内灘町出身。高校時代にはインターハイ・国体入賞(自転車)、高校総体4000m団体追抜4位に入賞。ニックネームは「内灘の虎」。競輪選手の坂上忠克(71期)は実兄。2009年に実施されたananとJKAのコラボレーション企画「09'KEIRINイケメングランプリ」では、準グランプリを受賞。